社会福祉法人 仁生社 江戸川病院 患者サポートセンター 医療福祉相談室 医療ソーシャルワーカー 川野 絵里香さん
患者さんと対話をしながら、退院後のベストな道を探っていきたい
掲載日:2024年8月16日
2024年8月号 福祉のおしごと通信

社会福祉法人 仁生社 江戸川病院 患者サポートセンター
医療福祉相談室 医療ソーシャルワーカー 川野 絵里香さん

 

あらまし

  • 急性期病院の医療福祉相談室で医療ソーシャルワーカーとして働く川野絵里香さんに、仕事をする上で大切にしている想いなどをお聞きしました。

 

祖父の入院がきっかけで福祉分野へ

私が中学生の時に祖父が体調を崩して入院し、母と姉が介助をしていました。当時の私には何もできず、悔しい思いをしたことを覚えています。この経験から、将来は何か人の役に立てる仕事がしたいと思い、大学では福祉を学び、社会福祉士の資格を取得しました。卒業後は介護施設へ就職し、働きながら介護福祉士の資格も取りました。その施設は退職しましたが、その後、資格を生かせる職場を探していたところ、江戸川病院の医療福祉相談室で働くことになりました。今年で入職して12年目になり、医療ソーシャルワーカーとして、転院や介護施設へ入る患者さんに対して退院後の療養生活のための支援を行っています。

 

笑顔で退院できるように最善を尽くす

毎朝、担当する入院患者さんのカルテを確認した後、患者さんやその家族と面談し、場合によってはリハビリに立ち会い、状態を確認します。カンファレンスに参加して、医師や看護師、リハビリスタッフなどとの情報共有もこまめに行います。また、退院支援は私たちの病院だけで解決できるものではなく、回復期病院や介護施設など、院外施設との連携が大切なため、関係者と顔合わせをしたり勉強会に参加したりして、日ごろから顔の見える関係づくりと連携を心がけています。

 

江戸川病院は急性期の病院のため、入院期間を長く確保できません。患者さんは、短い期間で退院後の生活についての選択を余儀なくされます。一人ひとりの背景も異なるので、短期間で信頼関係を築き、ベストな道を探るのはいつも難しいと感じています。私が新人の頃、初めて患者さんを担当した時に「退院の話をしなくてはいけない」と焦ってしまい、患者さんの本当の気持ちを置いてきぼりにしてしまったことがありました。「もっと話を聞くべきだった」と反省し、それからは患者さんがどう思っているのか、まずは傾聴を心がけること、話しやすい雰囲気をつくるように気をつけています。また「無事、退院できた」といったようなおごりや、事前に聞く患者さんの情報だけをうのみにせず、先入観を持たないように注意しています。

 

患者さんが笑顔で退院され、「ありがとう」や「退院できてうれしい」という言葉をいただいた時は、「次も頑張ろう」と仕事への原動力になります。これからも患者さんがより良い日常生活が送れるよう、誠意を持って支援を続けていきたいです。

 

 

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取材先
名称
社会福祉法人 仁生社 江戸川病院 患者サポートセンター 医療福祉相談室 医療ソーシャルワーカー 川野 絵里香さん
概要
江戸川病院
https://www.edogawa.or.jp/
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