(社福)とおの松寿会
日頃からの組織的連携を活かした広域支援を実施
掲載日:2017年12月15日
ブックレット番号:2 事例番号:15
岩手県遠野市/平成25年3月現在

 

ポイント

  • (1)被災施設では利用者を分散して内陸部の施設に受入れてもらったが、環境が変わり、避難中に亡くなる割合も高かった。
  • (2)特養に老健利用者を受入れることが制度上、問題とされた。また、病院からの受入れは本人情報が被災で失われている状況もあった。
  • (3)施設間の受入れは、種別協議会の日頃の活動で顔が見え、県社協が受入れ計画を立てた。

 

あらまし

  • 東日本大震災の発生時、内陸部にあった社会福祉法人とおの松寿会では、停電の影響により沿岸域の様子が全くわかりませんでした。震災後、遠野市、岩手県社協との連携により沿岸地域の方々を支援しました。沿岸地域は、建物の窓ガラスが割れてしまう被害があり、外にテントを建て過ごしていた厳しい状態でした。
    特別養護老人ホーム「遠野長寿の郷」では、岩手県社協からの要請により沿岸地域の施設の利用者94人を受入れました。利用者が分散避難した被災施設では、200人のうち17人が避難中に亡くなりました。また、相談業務では、病院からの受入れでは、施設利用者としての受入れなのか一時的な避難なのかもわからず、個人情報もわからない中で治療状況を聞いたうえ、受入れ可能かどうか判断してつなげていきました。同じ法人が運営する養護老人ホーム「長寿の森 吉祥園」では、釜石市にある五葉寮の利用者45人を受け入れ、中継地点となって内陸8施設に5人ずつの避難先を決めました。これらは岩手県社協の高齢者協議会養護老人ホーム部会が中心となり、さまざまな関係機関との連絡調整、受入れ計画を立てて実施しました。受入れにあたっては、現地の状況を調査し、得た情報を県社協及び養護老人ホーム部会や遠野市などに報告し、後方支援を得ながら行いました。

 

取材先
名称
(社福)とおの松寿会
概要
(社福)とおの松寿会
https://t-chouju.jp/

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