Ⅳ 「地域福祉アンテナショップ」の設置と参加支援
(1)地域のつながりを広げる「地域福祉アンテナショップ」
令和2年11月に市の地域福祉推進委員会と立川市社協が設置する第5次立川あいあいプラン21推進委員会の合同会議により、「多機能拠点(仮称)地域福祉アンテナショップの設置」に関する提言が行われました。これは参加支援の一つの場として検討してきたもので、「多様性を認め」「活気があり楽しく」「住民同士でほどよい関係性を築ける」「安心して住み続けられる」ことをめざしています。身近な場所で、ふらっと立ち寄れる、相談や交流、活動の場として、令和3年度に1か所、令和4年4月に1か所が開設されました。一番町の「にこにこサロン」は市営住宅の一角にあり、若葉町の「BASE☆298」はUR団地の肉屋(2・9・8)跡地に設けられた拠点です。
地域住民の身近な居場所であり、地域のつながりを広げるためにも、住民ボランティアの存在は欠かせません。相談窓口を構えるというより、そこで過ごしている地域住民から自然と相談が入るようになり交流が生まれています。この地域福祉アンテナショップは、地域福祉コーディネーターがそこで受けた相談を各機関へつなぐとともに、地域住民自身が身近な相談員役として活躍していくこともめざしています。将来的には「全部型」〔=基本的には毎日(週3日以上)、開設される拠点〕の地域福祉アンテナショップは、各圏域に一つずつの設置をめざしており、これには、運営費補助が市からも出る予定です。また、住民や法人が柔軟に開設する「協働型」のようなさまざまな形態による設置を同時に推進していくことを予定しています。
(2)社会福祉法人のネットワークと参加支援の場づくり
平成27年9月に立ち上げた「立川市社会福祉法人地域貢献活動推進ネットワーク(通称:ふくしネットたちかわ))は、立川市社協が事務局となり、28法人が参加する社会福祉法人の地域公益活動のネットワークです。同ネットワークでは、令和3年度を準備期間とし、4年度より「若者や障害のある方の就労を視野に入れた参加支援(職業体験・地域活動」に取り組んでいます。社会福祉法人が各法人・事業所の特性を活かしてどのような参加支援の場づくりに貢献できるか知恵を出しあっているところです。前述の地域福祉アンテナショップの場づくりへの参加も考えられそうです。また、社会福祉法人の取組みをモデルに企業やNPOの取組みへと広げていくことで、多様な参加支援の場を作っていくことが期待されます。
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このように、立川市の重層的支援体制整備事業では、「孤立のないまち」「住民が困りごとの解決に参加できるまち」の実現に向けてその取組みが始まっています。
https://www.tachikawa-shakyo.or.jp/