稲城市社協では平成29年に社協内にCSWを配置する前から制度の対象に当てはまらない方の相談を受けていましたが、CSWを配置したことで、様々な困り事が寄せられるようになってきました。
しかし、最近はより複雑な相談が多く寄せられるようになってきました。特に8050問題の子ども世代にあたる方の支援では、精神科領域や知的障害が疑われるケースも少なくありません。重層事業では、これまで障害者の相談支援を受託して培ったノウハウを活かして個別支援にあたることができています。また、高齢者の相談をきっかけに家族の問題が判明することで重層担当者に繋がるケースも多く、関係機関と連携しながら問題解決に向け対応しています。
Ⅲ 重層的支援体制整備事業の実施状況
稲城市では、令和6年4月から重層事業を開始しました。実施に向けた準備段階では、保健福祉総合計画の策定委員会や庁内検討委員会での協議とあわせて、社協や他の支援機関とも意見交換の場を設けるなどして検討を進めていきました。
事業開始後は、市の広報誌での特集の掲載や地域共生社会フォーラムの開催、関係機関が集まる会議体での事業説明などを行い、事業の周知をしていきました。福祉関係者だけでなく、小中学校長会でも事業説明を行うなど、教育関係者への周知も進めています。第2層協議体は、地域活動をしている方の多くが参加しているため、全地区を回り重層担当者の顔つなぎをしました。
(1)包括的相談支援事業
高齢、障害、子ども、生活困窮者等を対象とした既存の分野別の相談支援機関を包括的相談支援事業に位置づけるとともに、自立相談支援機関「福祉くらしの相談窓口」に総合相談機能を追加し、「福祉くらしの総合窓口」を新設しました。総合窓口での相談件数は、前年比よりも増え、また以前よりも様々な内容の相談が入ってくるようになりました。総合相談で受け付けた新規の相談は、週に1回、総合窓口の支援員と所管課の課長・係長・担当者、社協の重層担当者とで、全件内容確認をしています。
https://www.city.inagi.tokyo.jp/shisetsu/fukushi/fukushi/shakyou.html