川村博さん(NPO法人Jin代表)
ふるさと浪江町に必ず帰ります!
掲載日:2017年12月12日
ブックレット番号:1 事例番号:10
福島県福島市、浪江町/平成24年3月現在
福島県福島市、浪江町/平成24年3月現在
帰りたい人が帰れるように!
平成23年3月11日の浪江町の人口は2万1千434人。津波で亡くなった方が188人、家屋倒壊で1人が死亡、行方不明者3人。浪江町の大部分が原発事故で警戒区域となり、平成24年2月21日現在、県内に避難している約1万3千800人のうち、約4千400人が仮設住宅に住んでいますが、震災で亡くなった以上の方が避難生活中にすでに亡くなっています。家族のため、地域のため、国家のために働いてきた方々の人生の仕上げのときに、仮設住宅で亡くなる無念を思うと涙が止まりません。
復興元年という今年。福島県双葉郡は何も手がつけられず、復旧すら始まりません。若い人は時間の経過とともに地元には戻れないという気持ちが強くなっています。仮設住宅に住んでいる高齢者は、夕方から夜にかけて泣く人が増えてきました。「自分の家に帰りたい」と。「帰れるわげねえべ…」と、若い人に怒鳴られています。私たち社会福祉事業に携わる者は、本人の気持ちに添って仕事をしなければなりません。だから「帰りたい」という気持ちを形に変えてやらねばなりません。
私は生き方を変えました。これまでは、目の前にいるAさん、Bさんが必要としていることをお手伝いさせていただくという価値観でした。これからは、ダイナミックに大胆にグイグイと仕事をしようと思います。僕がやらないで誰がやる…という思いです。24年度には相談支援事業所を開設します。浜通りに障害者の日中活動を開設し、小規模多機能型居宅介護もやりたい。社会福祉法人を立ち上げて特別養護老人ホームを開設します。そう決めました。帰りたい人が安心して帰ることのできるしくみを作ります。
必ず帰ります。
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川村博さん(NPO法人Jin代表)
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