東京都大島町
東京で初めて福祉避難所を設置。島が培ってきたつながりを被災後の地域づくりにも
掲載日:2018年8月14日
ブックレット番号:7 事例番号:80
東京都大島町/平成30年3月現在

避難行動要支援者の「個別支援計画」

避難行動要支援者への「個別支援計画」について、大島町では、「大島町避難行動要支援者登録制度実施要綱」(平成28年6月1日施行)を定めています。

 

役場では、要支援者の登録をすすめていますが、一方で登録者数を増やすことについての課題も抱えています。マニュアルでは居住地区ごとに避難場所が決められていますが、要支援者ごとに避難ルートを示し、避難場所まで付き添う人を定めなければならず1件の個別支援計画を作成するにも相当な事務量となります。また、地域の状況をいち早く把握し助け合うことができる、近隣の顔なじみの者が想定される「避難支援者」は、普段声をかけあう関係であったとしても実際に計画書に名前が掲載されるとなると心理的な負担を与えかねません。

島内に親戚がいても距離が離れていると直後の対応が難しいため、近所の顔なじみの方を優先しています。また、民生児童委員の方は、災害時に担う役割があるため「避難支援者」には設定しない考えです。

登録を促したい対象者用にチラシを作成し、依頼する際に渡しています。「避難支援者」がいなくても登録できるようにはなっていますが、空欄の場合は、できる限り役場でも調整しています。

 

 

 

島民の防災意識と避難訓練

三原山噴火による全島避難後の取組みから大島では、居住地区ごとに「自主防災組織の班」が整備され、現在も自主防災組織の班ごとに避難訓練を実施しています。全世帯に割り振られており1つの班は20世帯くらいの規模です。引っ越しがあった場合などは、「あなたは〇班です」と通知が送付されます。学校が実施する児童の引き取り訓練も、この自主防災組織の班を単位に行われるため、子ども自身も「私は〇班の○○です」と言うことができます。

 

平成28年11月には、島しょ総合防災訓練として都庁と役場が合同で、自衛隊や警視庁も参加する大規模な「東京都・大島町・利島村合同総合防災訓練」を実施しました。平日の月曜日に実施し、歩いて全体集合場所まで行くという訓練でした。大島海洋国際高等学校の生徒も港まで3km程度の道を歩いて避難し、保育園などの社会福祉施設や小・中学校も参加しました。一般住民は島内の路線バスである大島バスを利用し自主防災組織の班ごとに集合場所に集まりました。ヘルメットをかぶった班長が班員名簿により、点呼をとりました。役場職員の配置は、所属課ごとではなく居住地区にあわせて配置されました。

 

 

取材先
名称
東京都大島町
概要
東京都大島町
http://www.town.oshima.tokyo.jp/
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