(社福)岩手県社会福祉協議会
会員の相互支援をすすめる取組みと、県外・県内における災害派遣福祉チームの実践
掲載日:2018年6月14日
ブックレット番号:7 事例番号:74
岩手県/平成30年3月現在

初めての派遣となった平成28年熊本地震

平成28年4月に発生した熊本地震では、「避難所には必ず福祉ニーズが発生している。これまでたくさんの支援をいただいた恩返しをしたい」という思いから、前震のあった4月14日には岩手県災害派遣福祉チームの派遣を検討し始めました。災害派遣福祉チームはDMATのような全国的な派遣スキームが確立されていないため、岩手県庁は厚生労働省に相談のもと、熊本県災害派遣福祉チーム(熊本DCAT)の本部となる熊本県庁と協議し、熊本DCATの活動を支えることを目的に県内で派遣準備をすすめ、前震から2週間後の4月28日に先遣チーム4名が現地入りしました。

 

岩手県災害派遣福祉チームは被害の大きかった益城町の避難所などを巡回し、熊本DCATと調整のうえ、約200名が避難していた益城町交流情報センターを拠点に活動することになりました。そして、熊本DCATや岡山市保健チーム、NPOなどと協働して、高齢者や障害者、乳幼児等の要配慮者のニーズ調査や、福祉相談コーナー「さしより」(熊本弁で「とりあえず」の意味)の設置、要配慮者の状況に応じた個別支援対応などに取組みました。

避難所でのアセスメントの様子

 

 

5月18日までの21日間で全5班・のべ24名が活動し、その後の活動を京都府災害派遣福祉チーム(京都DWAT)に引継ぎました。先遣チームのメンバーとして活動した岩手県社協福祉経営支援部の加藤良太さんは、「熊本にも災害派遣福祉チームはあるが、用語の定義や運営のしくみが岩手とは違うため、県および市町村の各段階で障壁が多かった」とふり返ります。国内で初めてのケースと思われる災害派遣福祉チームの県外派遣は、現地入りのための調整から実際の活動まで手探りですすめなくてはなりませんでした。

 

取材先
名称
(社福)岩手県社会福祉協議会
概要
(社福)岩手県社会福祉協議会
http://www.iwate-shakyo.or.jp/
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